年賀状の思い出

イラストまで手書きだから心が温まります。

 

年賀状を書くようになったのは結婚してからだ。

 

 

学生の頃は書いていたものの、携帯を持つようになってからはすっかりメールが年賀状の代わりになってしまった。

 

 

しかし、結婚してから勤めた会社の上司から「今時のやつは年賀状を出さない。ありえない」と言われたことをきっかけに、久しぶりに年賀状でも書いてみるかと思ったのだった。

 

 

年末を迎える頃になると、郵便局の前には年賀状のポスターが貼られる。これまでならば素通りしていたが、思わずそのポスターが目に入り、まるで吸い込まれるように郵便局へ足を踏み入れ年賀状を25枚ほど購入した。

 

 

送る人は限られる。枚数はかなり少ない。

 

 

夫の会社の人といえど、みんなが年賀状を書いているわけではないから厳選して枚数を決める。

 

 

私も会社の人数名と、友人の分、そして家族の分を購入。

 

 

久しぶりに手にした年賀状は、なんだか紙独特のいい香りがした。どことなく落ち着くような気もした。

 

 

プリンターが家にないため全て手書きで書く。もちろんイラストも、メッセージも、そして宛名も。

 

 

共働きで忙しい中、年賀状をわざわざ書く時間は私たちにとってとても良い時間だった。

 

 

まるで一人ひとりへの手紙を書くような気持ちにもなった。

 

 

今年もお疲れ様でした。また来年、元気で会おう。

 

 

手書きとなるとかなりの時間がかかり、完成したのは31日の夜中。もうすぐ年が明ける。

 

 

元旦にはつかないな、と思いつつ、郵便局の赤いポストに輪ゴムでひとまとめにした25枚の年賀状を入れる。

 

 

なんだか初詣でお賽銭を入れた時のような気持ちになって、思わず手を合わせてしまったのには2人して笑った。

 

 

それから10年以上、私たちは年末になると決まって郵便局へ年賀状を買いに行く。

 

 

枚数は減ったり増えたりしながらも、こうして毎年のように出せることをありがたく思う。

 

  
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